大型弾薬庫 祝園・舞鶴で計17棟に 敵基地攻撃用長射程ミサイル保管 25年度予算案で追加
「社会保障削るのに弾薬庫予算急増か」
自公政権の大軍拡方針の下、敵基地攻撃用の長射程ミサイルを保管する大型弾薬庫新設を巡り、京都府内では、当初の11棟に新たに6棟を追加し、計17棟を建設する方針が示されています。住民からは「なぜ急に増やすのか」「戦争の出撃基地になるのでは。説明してほしい」など驚きと不安の声が広がっています。
防衛省が弾薬庫建設を計画しているのは陸自・祝園分屯地(精華町・京田辺市)と海自・舞鶴基地(舞鶴市)です。
祝園分屯地では当初、8棟を新設するとし、24年度予算に敷地の造成工事を含む整備費約102億円を計上していました。ところが25年度予算案では、新たに6棟を追加する方針が突然示され、6棟中3棟の建設に向けた調査・設計費約5億円を計上。8棟については本体工事費を含め、合計約192億円が計上されています。
舞鶴基地では当初、「舞鶴弾薬整備補給所」(舞鶴市長浜地区)内に3棟を整備するとされ、24年度予算では調査費約2億円が計上されていました。しかし、25年度予算案では新たに、同補給所北側への新設に向けた調査費を計上。今年度から進めてきた3棟の設計費と合わせて約4億円を計上しています。
「京都・祝園(ほうその)ミサイル弾薬庫問題を考える住民ネットワーク」の大植登共同代表は「福祉などの予算が減らされているのに、なぜ高価な弾薬庫建設の予算が急に増やせるのか」と語ります。
住民にも議会にも説明ない
日本共産党精華町議団の佐々木雅彦団長は「概算要求に対する質問の回答が昨年11月末に防衛省からあったが、追加方針については説明されず、予算発表段階で初めて知った。住民にも議会にも説明がない。防衛省は説明すべき」と語ります。
「憲法を生かす平和のための舞鶴ネットワーク」の名取哲夫事務局長は「出撃基地となり、報復攻撃されるのでは、と不安が広がっている。防衛省に説明を求めるとともに、市民に情報を知らせていきたい」と述べます。
日本共産党舞鶴市議の小西洋一氏は「舞鶴ではイージス艦へのトマホーク配備、司令部地下化も計画されている。弾薬庫新設と今回の増設案も併せて市民と議会にまともに説明もしないまま、政府が危険な基地強化を強引に進めることは許されない」と語ります。