撮影、照明も受賞 安田監督「評価うれしい」 『侍タイムスリッパー』日本アカデミー賞 作品、監督など7部門優秀賞
城陽市在住の安田淳一監督が自主製作した映画『侍タイムスリッパー』が日本アカデミー賞の作品賞、監督賞など7部門で優秀賞に輝きました。授賞式は3月14日に東京で行われ、各部門五つの優秀賞作品の中からさらに最優秀賞が選ばれます。安田監督に、優秀賞受賞について聞きました。
「点光源」で陰影 昭和の雰囲気に
受賞したのは、作品、監督のほか、脚本、主演男優、撮影、照明、編集部門。主演は山口馬木也さん、撮影、編集は安田さん、照明は土居欣也さん、はのひろしさん、安田さんがそれぞれ手がけました。
6部門の受賞となった安田監督は、「自主映画の場合、監督が他の仕事を兼ねることは多いが、撮影や照明など自分がやってきたことが評価されたことはうれしい」と語ります。
撮影については、前景、出演者のアップ、背景を重ねて濃密な画面をつくり、照明については、近年は面光源でやわらかく当てて自然な雰囲気を出すことが主流となるなか、点光源を多く当てて強めの陰影をつけ、「寅さん」シリーズなどのように昭和の雰囲気を出すよう心掛けました。
脚本については、従来のタイムスリップものが元の時代に帰りたいともがいたりするのに対し、今作では、主人公が戻ろうとせず、新たな境遇で生き直そうとすることが海外の映画祭でも注目されたといいます。
「世の中うまくいかないことが多いですが、人はどんな境遇におかれても立ち上がり、輝くことができるということを描きたかった」と話してます。