原発事故風化させない 政府の「原発回帰」に抗議/バイバイ原発きょうと 1000人が集会・デモで声上げ
東京電力福島第1原発事故から14年を前にした3月8日、バイバイ原発3・8きょうと(同実行委員会主催)が京都市東山区の円山公園音楽堂で開かれ、1000人が参加。集会後、楽器演奏グループを先頭に「原子力発電いますぐやめよう」「原発のない明日をつくろう」などとコールしながら京都市役所まで行進しました。
主催者あいさつで、藤井悦子さん(アジェンダ・プロジェクト)は、同原発事故を巡る刑事裁判で最高裁が東電旧経営陣を無罪(5日付)とした判断に抗議。避難者の賠償訴訟でも最高裁が国の責任を否定しており、「大惨事を引き起こしながら国にも東電経営者にも責任がないという最悪の司法判断を絶対に認めることはできない」と強調しました。さらに、原発回帰に大転換する政府の第7次エネルギー基本計画を批判し、「原発事故を風化させようとする政府の動きに抗い、脱原発を実現しよう」と呼びかけました。
スペシャルゲストとしてお笑い芸人の「せやろがいおじさん」がトレードマークの赤いTシャツ、ふんどし姿で登壇。ファッション界で流行するジーンズのビンテージ(古着)ブームを切り口に、日本が米国から輸入する兵器、稼働している原発も“年代物”だと皮肉り、「ジーパンならいいですよ、色落ちするだけです。でも沖縄では飛んでるヘリが落ちる。原発なんかもっと大変。メルトダウンしますから」と風刺しました。
沖縄の新基地建設や原発にかかわる問題で、決定の過程に住民意思が反映されないという共通の社会構造があると指摘し、推進したい側は反対の民意を恐れており「民意が出るのを恐れる民主主義国家」という皮肉な現象だと比喩。これは「笑い声が怖いお笑い芸人」と同じと例え、「根本がおかしい。基地でも原発でも抱える問題の構造が同じなら、連帯した方が声は大きくなる」と激励しました。
市民スピーチでは、原発賠償訴訟京都原告団、消費者らが発言。3歳の時に原発事故に遭い、福島から避難してきた楓さん(17)は、当事者抜きで進む復興、人権を守らない国の姿勢に違和感を表明。どこであれ、どんな形であれ、核を使う動きに反対するとし、「核による暴力は抑止できる。私たちの声には力がある。一日も早く、脱原発、核廃絶を実現できるよう行動したい」と述べ、大きな拍手に包まれました。
特別報告として、平信行・京都原水協事務局長が、日本被団協のノーベル平和賞受賞の意義について訴えました。
集会には、日本共産党の倉林明子、井上さとし両参院議員、堀川あきこ衆院議員が参加し、紹介されました。