自民党は責任をとるべきだ 中川泰宏衆院議員の無法の数々
中川泰宏衆院議員(4区)の無法行為
税のがれ 建築確認 不法占有
自宅や事務所をめぐる税逃れに建築確認未申請、河川不法占用と、自民党の中川泰宏衆院議員(京都4区)の不法・無法行為が相次いで発覚しています。同議員はこれまでも、農協労組への不当労働行為や城山共同作業所への一方的な補助金打ち切りなどで問題となってきました。
この間発覚した問題は、▽自宅1棟が「未登記」で18年、 事務所2棟が実際には使用しながら「未完成」を理由に27年と8年、それぞれ固定資産税と不動産取得税が課税されてこなかった▽税逃れの自宅・事務所3棟が建築確認未申請で着工し、使用▽自宅横を流れる河川上の通路をガレージなどに不法占用 というもの。
建築確認の問題では、府は6月26日、建築基準法に基づき、南丹市八木町氷所の自宅敷地内を立ち入り調査。中川議員に図面や工事の経緯などの報告書の提出を求めました。 また、府は同日、自宅・事務所3棟についての不動産取得税の納税通知書を送付しました。
6月28日の府議会建設常任委員会では、日本共産党の梅木紀秀議員が建築確認と不法占用問題を取り上げ、「建築確認を受けずに着工し、使用している。公人であり社会的には許されず、建築基準法に基づいて使用制限などきちんと指導すべき」「隣接する河川の暗きょ上に屋根付きの建物を建て駐車場のようにして不法占用している。調査、対応を求める」 と追及しました。
また、同日の総務常任委員会では、新井進議員が不動産取得税の課税について、「利用実態があり、多くの人が見ている。未完成を理由にするのは脱税行為に近い」と指摘しました。
何の説明にもなってない
続出する中川議員の問題をめぐり、地元京都4区 (右京区、 西京区、 亀岡市、 南丹市、 京丹波町) の自民党支持者や住民から、自民党の責任を問う声が上がっています。
6月30日、 京都市内で行われた自民党第4選挙区支部決起大会。 中川議員の説明に注目が集まりましたが、 国政報告の後に付け足すように、 「みなさんに心痛を与えた。 整理して文書にてお送りする」 とのべただけでした。
右京区の50代の男性は、 「一連の問題で説明を聞きたかったが、 何の説明にもなってない」 と憤り、 京丹波町からバスで参加した60代の男性は、 「(説明の) 文書をいつ送るかも言わない。 国会議員がこんないいかげんなことでいいのか」 と吐き捨てました。
中川議員が町議 (88年―92年)、 町長 (92年―02年) を務めた旧八木町。 「子どもたちの未来のために」 と書かれた同議員のポスターを自宅に張っているある男性は、 「税金もまともに払わず、 何が 『子どもたちのため』 だ。 町議時代から長く見てきたが、 こんなにひどいとは思わなかった」 と語り、 旧町役場近くの商店主は 「『あの中川さんなら…』 と変に大目に見る人がいるけど私は絶対に許せない。 進退問題になってもおかしくない。 こんな人をいつまでもこの地域の代表にしている自民党の態度も信じられない」 と怒りました。
「自民党を支持してきた」という亀岡市の60代の男性は、「去年、固定資産税が上がった。住民税も上がり、年金問題も頭に来ます。 税金もまともに払わない国会議員をなぜ自民党は公認しているのか。今度の選挙で自民党はマイナスになったほうがいい」と言い切ります。
また、長年福祉の職場に携わってきたという60代の男性は、「小泉・安倍政治で障害福祉の現場はむちゃくちゃにされました。原因は自立支援法ですが、中川議員も賛成しています。今回の問題でもいいかげんでごう慢な態度は目に余ります。(公認している) 自民党の責任も問われてくる」と話しました。
不当労働行為で府労委命令
京都府農協中央会会長を務める中川議員は、農協労組に対し、どう喝と脅しで労働組合脱退の強要や団体交渉拒否を繰り返し行ってきました。京都農協労働組合は府労働委員会に救済申し立てし、府労委は今年4月18に中川氏の不当労働行為を認定し、是正を求める命令書を出しました。
中川氏は、04年10月ごろから京都丹後農協と京都農協の合併計画を進める中で、管理職による「職員会」をつくり、幹部職員を通じて職場での労組脱退工作や「職員会」への加入を強要。京都丹後農協労組(現・京都農協労働組合)が府労委に団交拒否と支配介入についての救済を申し立てると、「労組の妨害で職員会ができていない」「労使交渉は行いません」などとどう喝や労組敵視発言を繰り返し、労組役員に府労委申し立ての取り下げを迫りました。これらの不当労働行為は、 05年4月の合併前後まで続き、中川氏が労組委員長に直接電話で「労組なんかがんばっても給料あがらんぞ」などと脅したこともありました。
執ように「作業所つぶし」
中川議員は旧八木町長時代の00年、同町内の城山共同作業所への補助金を一方的に打ち切るなど執ような 「作業所つぶし」を行いました。
00年2月の町長選挙で、 同作業所が推薦依頼を断ったことを契機に、中川氏は選挙戦や町議会などで「特定政党のビラをまかせている」「会計が不明朗」など事実無根の名誉毀損行為を繰り返し、同5月に補助金を停止。さらに、町が無償貸与していた、作業所の空き缶回収事業に必要な空き缶プレス機の引き揚げを図るなど執ように圧力をかけ続けました。
作業所関係者は「守る会」を立ち上げるとともに、京都地裁に提訴(00年10月)するなど粘り強く運動を続けました。02年4月の府知事選に中川氏が町長を辞職して立候補したことから、同5月に町長選が行われ、「城山問題の解決」を公約した候補が中川氏の後継候補を破り当選。新町長と作業所が同7月に和解し、補助金が復活しました。
(週刊しんぶん京都民報」7月8日掲載)