鶴見和子さんを身近に感じて踊った
社会学者の鶴見和子さんの1周忌にあたる7月31日、親しかった日本舞踊家の西川千麗さんが右京区京北町の千麗舞山荘で追悼の舞を披露しました。
舞台後方には鶴見さんの遺影が飾られ、ろうそくの明かりがともされる荘厳な雰囲気の中、静御前の舞「賤の苧環(しずのおだまき)」と南方熊楠の精神世界を表した「萃点(すいてん)」が披露されました。「賤の苧環」は、花柳流の名取でもある鶴見さんが最後に踊った演目。「萃点」は、南方の研究者でもある鶴見さんが西川さんに踊りにするよう託していた演題でした。
約100人が見守る会場からは白拍子の優雅な中にも強い意志を持つ舞に「鶴見さんが乗り移ったかのよう」の声も聞かれました。西川さんは「和子先生を身近に感じながら、体の中から湧き上がる思いのままに踊れました。見守っていただいた方々に感謝したい」と話していました。