宇治少年院の旧・火薬貯蔵施設を調査
府内各地で戦争にまつわる遺物や遺跡の保存、調査などに取り組む「戦争遺跡に平和を学ぶ京都の会」(足立恭子代表)は30日、旧陸軍の火薬貯蔵庫のあった宇治少年院=宇治市黄檗=で、当時使われた火薬搬送トロッコのトンネルなどを調査しました。
宇治市の黄檗、小幡地域では明治から太平洋戦争の終戦まで、旧陸軍の火薬製造・貯蔵が行われていました。少年院敷地内には、爆発に備え作られた築堤や、築堤に通されたトンネル、火薬の試射観察小屋などが残っています。トンネルは、レンガ造りで高さが約2メートル、長さは20メートル余り。小屋は木造で、広さは8畳程度。一部が、厚さ15センチ程のコンクリート壁で、壁には試射場を見るための隙間が設けられています。現在は、椎茸栽培のほた木置き場となっています。
少年院では、現存している小屋、トンネルは当面、撤去する予定はないとしています。
同会では、4年前にも調査を実施。今回の調査では、当時、残されていたコンクリート造りの倉庫などが撤去されていることが明らかになりました。同会事務局の磯崎三郎さんは、「小屋やトンネルなどの遺跡を市民が平和学習に利用できるよう、行政には保存し、説明版などを設置してもらいたい」と話しています。