「京都のアール・デコ」─小林かいちの絵封筒300点
大正から昭和初期にかけて活躍したとされる京都出身の画家、小林かいちが遺した絵封筒を一堂に集めた企画展が、京都市左京区の京都精華大学情報館で開かれています。
かいちの経歴はほとんど不明で、京都市中京区新京極三条の土産物屋「さくらい屋」の絵はがきや絵封筒のデザインをしていたことぐらいしかわかっていません。ここ数年、メランコリックで叙情的な作風が欧米で再評価され、国内でも「京都のアール・デコ」と呼ばれ、人気が高まっています。
作品の多くを収集する帝塚山学院大学の山田俊彦教授から提供を受けて、第1期の22日までと、来年1月7~26日までの第2期と合わせて300点が展示されます。
かいちの絵で目をひくのは、女性の表現。どれも、柳のような細い体で、恋に悩むように顔をふせた姿がトランプや星、幾何学模様で飾られています。アール・デコの特徴、赤と黒の鮮烈な色使いと木版画のぼかしの技法が調和し、詩的で大正モダンあふれる作品となっています。
無料。日祝日は休館。問い合わせ先はTEL075・702・5137。