「ふるさとの植物を守ろう・Plants for Life・私たちと植物の未来のために」と昨年4月から全国12カ所を巡回している『絶滅危惧植物展』(環境省、日本植物園協会、植物園自然保護国際機構など主催)が最終会場になった京都府立植物園で開催されています。
 現在日本には種子植物とシダ植物を合わせると約7000種の植物が生息しているといわれています。しかし、開発行為、温暖化、採取や外来植物、手入れされなくなった里山などで環境は変化し、環境省調査でも4種に1種の1600種類が絶滅の危機に直面していると警告しています。京都府下でも確認された約2300種類の種子植物の中で、62種類はすでに絶滅、157種類が絶滅寸前、141種類が絶滅の危惧となっています。
 同植物展担当の技術課課長補佐の小川久雄さんは「動物たちも危ない状況ですが、動物は移動するのでいろいろと話題になりますが、じっとして動かない植物は行かないと見られないし、地味で目立たず、踏んづけているような植物ですから話題にもなりにくいのです。しかし、大きな自然の中でいろんな関わりを持っているのです。私たちの生活に直接関係ないと思われてもお互いが関係しあっており、非常に重要なのです。ぜひ訪れていただいて、身の回りの足下の植物に関心を持ってほしい」と期待をよせます。
 同展示会場には京都府にわずかに生息する絶滅危惧植物指定のムジナモ、オニバス(種子)など水生植物や、キブネダイオウ、アユミダンテ、ナゴランなどの鉢植、カミガモシダや野生タチバナなど生きた植物も展示されています。その他、絶滅危惧植物画や写真パネル、標本、図書なども展示されています。会期は2月5日まで。(仲野良典)