これが「首都圏青年ユニオン」のたたかいだ 河添誠氏の講演(2)
首都圏青年ユニオンの活動を具体的に説明すると、労働問題を抱えた人に事務所に来てもらって詳しく話をききます。組合に入ってもらうと、会社に申し入れる文書を作ってもらいます。
「●●さんは首都圏青年ユニオンに入りました」という組合加入通知書というものと「団体交渉の申し入れ書」というものです。
そういう文書をユニオンに入った人に作ってもらいます。生まれて初めてユニオンに入った人がそんなことできるのか?と思われるかもしれませんが、実はそんなに難しくないんです。事務所のパソコンの中には、前にクビになった人の案件や残業代未払いになった人の文書のデータがあります。それを参考にしてもらいながら、自分で作ってもらうんです。
最終的に私たちがチェックして、会社側にファクスします。スタートボタンは本人に押してもらいます。そして「ああ、もう後戻りできないね…」とちょっと本人をドキッとさせるような冗談を言ったりしますが(笑い)、会社と連絡を取り合って団体交渉の日程を決めます。
団体交渉の日程が決まると、組合員のメーリングリストにメールを送ります。例えば「●日、午後6時半、渋谷ハチ公前に集合。すき家のアルバイトの解雇の案件です。みなさんご参加ください」みたいなのを流すわけです。
そうすると、仕事が終わった人たちが、その日にわらわらと集まってきます。ハチ公前に怪しい円陣ができるんです(笑い)。周りは「今から飲みに行こうか」という人たちの中で、私たちだけ「これから団交(団体交渉)に行こうか」と言って集まってるんです。(笑い)
団交する本人に「●●です。これから頑張ります」と決意を語ってもらって、団体交渉にいきます。団体交渉のやりとりがあって、終わったらまた、道端でまた怪しげな円陣を組んで、そこでみんなの感想を言いあいます。本人に対して「よく頑張ったね」という声をかけたり、「こういうことを用意しておけばよかったね」とか話し合います。道端でやるのは、お金がないからです。喫茶店入ろうというと「お金がない」という人がいるんです。
団交に参加している人は10人程度ですが、初参加の人などいろんな人にきてもらいます。私たちは参加型の団体交渉と呼んでいますが、みんなで集まってみんなで支えあう。いろんな会社の団体交渉にみんなで応援にいく。
団体交渉だけじゃなくて、労働基準監督署に行くのもみんなで行って、申告のやり方を覚えたりします。
そんなやり方で運動を広げています。