近畿地方整備局の計画案発表に抗議 共産党京都府議団
日本共産党京都府議団(新井進団長、11人)は24日、「河川法を踏みにじる近畿地方整備局による淀川水系整備計画案の発表に強く抗議し(案)の撤回を求める」抗議声明を発表しました。全文は以下の通り。
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6月20日、国土交通省近畿地方整備局は、諮問委員会である「淀川水系流域委員会」の意見を事実上無視し、4ダム(大戸川、丹生、天ヶ瀬再開発、川上)建設を推進する「淀川水系整備計画案」を決定し、関係知事の意見を求めるため、同日付で府県に送付した。
今回の整備計画は、30年に亘って淀川水系の治水・利水・環境整備の方向を定めるものであり、1000万人を超える流域人口の暮らしと安全に直結するとともに、数千億円以上の公共事業をともなうものである。それだけに慎重な論議が求められ、流域委員会はあらゆる角度からの論議を積み重ねる努力をされてきた。ダム建設についても効果を検証し代替案の検討も進めてきた。その経過を無視し「ダムありき」で整備計画案を強行することは絶対に許されるものではない。
そもそも、1997年に改正された現行河川法は、長良川河口堰をめぐる論争や公共事業のあり方をめぐる国民の厳しい批判の中で「河川整備に住民の声を生かす」ことを理念としてきた。淀川水系整備計画の策定に当たって、諮問機関として「流域委員会」による論議が進められてきたのは、その具体化であり、流域委員会の意見尊重は河川法上も当然のことである。今回の整備局の強引な「整備案」決定はこれに反するものであり、厳しく批判されるものである。
また、流域住民からは怒りの声が噴出している。マスコミ各社もこの整備局決定に対し、一斉に厳しい報道を行い「踏みにじられた河川法」「自らの手で時計を逆に回すのか」「はじめに『ダムありき』でその説明が尽くされたとは言いがたい」と報じている。
わが党議員団は、整備局のこの暴挙に強く抗議し「案」の撤回を強く求めるものである。