黄檗ほていまつり、蓮 宇治市にある禅宗黄檗宗の萬福寺は、昨年10月から毎月8日に「ほてい祭」を開催しています。
 7月8日は境内の放生池や参道などに何百本もの蓮の花が置かれ、観蓮も兼ねての「ほてい祭」になりました。
 「ほてい祭」を創設した経緯を萬福寺の住谷瓜頂総務部長が説明し、天王殿に祀る布袋(ほてい=弥勒菩薩の化身)さんの生誕日が5月8日、当寺院建立着工された日が5月8日、さらに当寺院開設を命じた徳川家綱が亡くなった日が5月8日など、なぜか8日に重なっているとし、また「八」は末広がりで縁起もいいので毎月8日を「ほてい祭」と銘打って開催し、新しい禅宗の文化をもう一度黄檗山から創り上げ発信しようという趣旨であると抱負を述べました。
 8日は山内無料公開され、近隣からのグループコンサート、手作りの店、縁日出店、フリーマケットや宝物などの特別展覧企画などが開かれました。
 また、日本最初の煎茶創始者である当寺院出身の売茶翁(ばいさおう。僧名=自海元昭)にちなんで煎茶も振る舞われます。中国風のたくさんの仏像が安置されている明朝様式の伽藍(重要文化財)が立ち並ぶ境内は、雨に濡れた蓮の花もまた風情があります。滋賀や大阪からの参拝者は「広い境内で見応えがあるし」、午後から雨があがり「ギター演奏、ボーカルも聴けた」と楽しんでいました。(仲野良典)