大輪のハスの花 天竜寺
右京区嵯峨嵐山の天竜寺を訪れると、境内に入ってすぐ大輪のハスの花が迎えてくれます。
今が一番の見ごろのハスの大輪は、同寺最古の建造物(江戸寛永年間)の勅使門(桃山様式、重要文化財指定)をくぐったところにある放生池に花を咲かせています。
ハスはスイレン科ハス属で古い時代に中国から渡来した多年生の水草。紫色かかったピンクのつぼみをつけ、開花後数日で紅色→桃色→白色と変化し花びらはすぐに落下します。花開くとその真ん中に1センチほどのきれいな黄色の花床(蓮台)ができています。数日で直径3センチほどの緑色に変化し、やがて茶色い大きな花床に成長し落下します。ハチの巣に似ているので蜂巣(はちす)ともいわれ、果実は楕円形で固い表皮に覆われて何百年も生き続けます。
同寺の拝観は午前8時半からですが、美しいハスの花咲く放生池は午前7時頃から無料で観賞できます。スイレン科の花は、ほとんどが夜明けから午前8時頃までが見ごろ。それ以降は太陽の光で花は閉じるか開きすぎて落下します。花弁だけでなく蓮台の観察もおもしろいです。(仲野良典)