祇園祭、伯牙山 琴の名人伯牙が友人の死を知り琴の絃を切った故事による伯牙山(綾小路通新町西入ル、京都市中京区矢田町)で、13日午前8時半から山建てが行われました。
 矢田町内に住む人と町内の工務店で働く人など7人が、釘をいっさい使わず貫や縄で組み立てました。
 山の胴体になる柱や筋交などには「東山」「東南」「西山」「西南」などと書かれ、方位によって組み立て方が表されています。父親の代から山建てに携わってきた棟梁の指導で組み立てが始まりましたが、筋交の一部が合わずたちまち立ち往生。棟梁から「文字が全部外を向くように組めってゆうたやないか」と声が飛び、裏表をひっくり返すと柱と筋交が合いました。
 伯牙山建てに25年関わっている大工が、「筋交が交差する部分は両側8回縄ずつ、16回縄を掛けるんやで」と指導。柱と筋交を組み合わせた角を固定し補強するため縄を掛ける作業は、いかに美しくデザインできるかが「腕の見せ所」(同)と話しました。
 縄を掛けた人によって結び方や巻かれた縄の形が異なり、作業した人はそれぞれ見比べていました。
 父親と一緒に山建てに参加した橋本龍さん(19)=学生=は、「祇園祭の裏方にはなかなか関われないと思うので、良い体験です。できるなら今後も関わっていきたいです」と話しました。