「戦場にある楽園」第６回LINK展　19日まで京都市美術館

　「スコップ美術表現研究舎」主催の第６回LINK展が19日まで、左京区の京都市美術館で開かれています。同研究舎は「人と人のはざま―美術と社会の関わりのかたち」を掲げて1995年に発足。毎年、美術のジャンルや団体を越えた芸術家が出品しており、今年は42人が参加しています。今年のテーマは「戦場にある楽園」。
　京都市立芸大４回生の山口哲史さん（24）は長さ３メートルの鉄の柱を縦と横に並べ、壁に鉄枠で海の写真を展示しました。タイトルは「ニの一、一の二・無題」。山口さんは、小学４年で阪神大震災を体験し、死と隣り合わせの体験を持っています。「例えば生と死は二つで一つ、始まりがあり終わりがある。一つの存在の中にある二つの相反する性質を同時に捉えるとき、自己の存在を直観的に認識することができるのではないか」と話しています。
　このほか、イラク戦争の報道をデジタル映像で拡大した組写真や戦禍を被った大地にひとりの人影がある油絵などそれぞれが感じている戦場と楽園を表現しています。また、９月５日に逝去した田積司朗氏の遺作も出品されています。
　無料。午前９時から午後４時半。京都市美術館TEL０７５・７７１・４１０７。