乙訓革新懇は7日、長岡京市のバンビオ1番館で「住民の力が西山を変える!まちづくりを変える!」のテーマでシンポジウムを開き62人が参加しました。パネリストは「竹の学校」理事長の杉谷保憲さん、鎮守の森の会代表の上田昌弘さん、乙訓の自然を守る会代表の宮崎俊一さん。コーディネーターは京都自治体問題研究所副理事長の市川哲さん。
 杉谷さんは森林のなかで竹林の比率が全国では1%だが乙訓では20%、天王山では45%をしめており、竹林をどう整備し活用するかは大切な課題と指摘しました。竹がCO2を吸収する力が強いこと、地下水の涵養(かんよう)にとっても大変役立っていることなどを強調しました。行政頼みではなく市民の運動として挑戦したいと報告。
 上田さんは向日市の向日神社の鎮守の森が荒廃し、昼でもうす暗い森を住民のボランティア運動で一歩一歩整備し、今ではだれでも散歩できる明るい森に変えたこと、勝山古墳公園を整備したことを映像を使って鮮やかに映し出しました。さらに水上勉の小説「櫻の森」のモデルになった笹部新太郎氏が滅んでいく日本古来の桜を守ろうと品種の改良や保存に一生を捧げたことを知り、桜の苑植樹祭に取り組んでいると報告。
 宮崎さんは西山の乙訓地域は地形、地質が変化に富んでおり、生物の多様性が高いこと、そのキーワードとしての「遷移」「常緑樹が勝つ」「撹乱(かくらん)」について説明し、乙訓の生物や動物を映像で紹介。桂川河畔林のヒメボタル保存などの経験にふれ、生物の多様性を守るには人の手入れが必要なこと、市民、行政、地元が協力して守る時代に入っていることを強調しました。
 質疑では竹炭など竹の活用、マスコミ対策など質問が出されました。 参加者からは「私にも何かできればと思う」「住民の力を生かして活動されている方々のシンポを続けてほしい」などの感想が寄せられました。(梅林照夫)