６日から国会で審議が始まった医療改悪法案。府内各地の医師会長や老人会・患者会などから反対の声を紹介します。
世界一の皆保険制度崩壊する
　日本の医療費は、 世界の先進国と比較してもけっして高い方ではありません。 にもかかわらず、 さらに医療にかける支出を値切ろうとしているのが、 政府の進める 「医療制度改革」 です。
　国の支出を減らし患者の自己負担を増やせば、 少しぐらいなら我慢しようと診療抑制がかかるのは当然です。 また、 高額の医療費支払いに備えて民間医療保険に加入する人も増加します。 それは、 本来なら患者が医療に使っていたお金が保険会社の利益にされるということです。
　混合診療の本格的導入も含め、 自己負担増ばかりを押しつける 「医療制度改革」 が進められれば、 全国で等しい医療を供給してきた世界一の国民皆保険制度が崩壊しかねません。
　政府は今、 医療費負担増だけでなく、 介護保険のサービス切り下げなど、 社会保障をどんどん削っていますが、 こうした流れには反対です。
　医療や福祉はお金がかかるものです。 人間が健康で幸福でいられることが政治の最大の目標のはずです。 まだまだ、 税金の無駄な使い方が多すぎます。 削るべきものを削り、 医療や福祉など国民が必要としているところに使うべきです。
　たかはし・ごんや　1940年生まれ。 65年、 京都大学医学部卒業。 京大胸部疾患研究所、 米国テンプル大学、 第二岡本総合病院を経て、 86年、 宇治市に同医院を開設。 90年、 宇治鳳凰ロータリークラブ創立会員。
（「週刊しんぶん京都民報」06年４月２日付掲載）

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