「改めて当事者、現場の声上げよう」 自立支援法で学習会
今年施行3年の見直しを迎える「障害者自立支援法」の今後の動向について考える学習会(障害者自立支援法に異議あり!「応益負担」に反対する実行委員会)が3日、京都市南区で開かれ、障害当事者や施設職員ら80人が参加。峰島厚・立命館大学教授が厚労省部会の検討内容などを元に報告しました。
峰島氏は、施行3年後の見直し方向をまとめた社会保障審議会障害者部会報告について、72項目もの見直しに言及する一方で、応益負担と施設報酬の日割り計算、障害程度区分認定という「根本問題」は原則的に維持するものになっているとのべ、「国の部会ですらほめるところが1つもない。本来なら廃止しかないが、開き直っている」と指摘しました。
同時に、昨年10月の6500人が参加した自立支援法廃止を求める集会で全野党が賛同し、一時は与党内部にも応益負担廃止の意見が上がるなど、「私たちの運動は届いている。重要な力」と強調。国や自治体の激変緩和策や緊急措置があっても、毎年10~20%の運営費減となり、居宅介護を止めたり、多くの職員が働き続けられない状況が生まれているとのべ、「社会保障財源として消費税増税が言われているが、5%アップすれば『応益負担』どころではない負担増になる。今後政局は揺らぐだろうが、政治の中身をどう変えるかが問われる。改めて当事者、現場からの声を上げることが重要」と締めくくりました。
自立支援法と介護保険の統合について質問があり、峰島氏は、「国は前提にしないとしているが、断念した訳ではない。国民が保険料を払うことに狙いがある」と答えました。
参加者からは、「定員いっぱいなのにずっと赤字続き。若い職員が働き続けられない」(施設職員)、「応益負担反対訴訟で京都らしいたたかいを広げよう」(障害当事者)などの発言がありました。