初陣春の甲子園 福知山成美(1)
3月21日開幕の第81回選抜高校野球大会に出場する福知山成美高校(福知山市)。「(チームは)盛り上がっていい感じ」「調整はばっちしです!」春の甲子園にむけて意欲あふれる選手たちは大声でグラウンドに駆けて行きます。春に挑む成美野球部の姿を5回に分けて追います。
同校は昨年秋の京都府大会決勝戦で、立命館を相手に7-0と圧勝し、2年ぶり3度目の優勝を飾りました。春の近畿大会では初優勝し、秋にはベスト4に進出。春のキップを獲得しました。「うちには大砲はいない」と田所孝二監督(48)が言うように、後続のバッターにつなげる手堅い打撃で点につなげエースの長岡宏介投手(2年)を中心にした守備力で勝ちあがりました。
甲子園開幕まで1カ月後に迫った2月13日午後3時半。小雨の降る中、田所監督の「おい、いくぞー」の声で、ノック練習が開始。選手が順番に並び、「しっかりボール見ろ」「走って追いつけー」「がんばって捕れよー」と選手1人ひとりのプレーに叱咤が飛び交います。
ゴロには打球が体の正面になるよう片ひざを付き、体を張る。高いバウンドには素早く打球の正面へ移動し、確実に捕球するため両手でキャッチ。基本に忠実なプレーを繰り返します。無理な体勢でのキャッチにもかかわらず、1塁への正確な送球が決まると、「よっしゃー」と周りの選手が自分のことのように喜び、フライの好捕には、「ウォー」「一発OK」「よく捕れたなー」と大きな歓声が上がり、グラウンドは明るい雰囲気につつまれています。
緊張感を持ちながらプレーする選手たちの慎重で真剣な表情に甲子園にむけての心意気が感じられます。(続く)