京都市下京区の梅小路公園内に水族館建設が計画されている問題で、自然・動物保護の観点から考えるフォーラムが8日、同公園内で開かれ、63人が参加しました。いきもの多様性研究所、日本環境保護国際交流会、エルザ自然保護の会が共催したもので、イルカの保護運動に取り組んでいるSave Japan Dolphins連盟団体のリチャード・オバリー代表が水族館でのイルカ展示の問題や野生のイルカが置かれている現状を写真やパネルなどを用いて講演しました。
 オバリー氏は1960年代に、世界的にヒットしたテレビ番組「わんぱくフリッパー」のイルカ調教師として活躍しましたが、フリッパー役のイルカの死をきっかけに、イルカの保護及び野生復帰活動に転じ、以来50年間、世界各地でイルカの救済に尽力しています。
 同氏は水族館建設が予定されていることについて、「イルカは海洋で超音波を頼りに生きています。コンクリートの建物の中に入れられると超音波を読み取ることができなくなり、ストレスで死んでしまうケースがある。イルカを守る運動を京都市民に広め、水族館建設反対を訴えていきたい」と話しました。
 また、「京都には寺や神社など伝統文化が根づいていて、水族館はふさわしくない。水族館建設反対を京都から発信すれば世界からも自然を尊重する町として尊敬されるでしょう」と語りました。