京都、奈良、大阪、和歌山の自衛隊基地をめぐる 田中三郎レポート(6)
「関西基地めぐり・南東コース」2日目は、和歌山の自衛隊基地めぐりです。「海上自衛隊由良基地分遣隊」、(日高郡由良町)と「陸上自衛隊和歌山駐屯地(第304水際障害中隊)」(日高郡美浜町)をまわりました。
由良基地は、海上自衛隊呉地方隊(広島)─阪神基地隊(神戸)の隷下で、日ノ御碕の付け根に位置し、紀伊水道、大阪湾口の警備にあたり、紀伊半島から四国南岸を警備する艦船の寄港・補給基地として使われています。
湾内の一角を占める同基地は、3棟ばかりの隊舎と広場にヘリポートの線引きがされ、潜水艦や小型船艇が係留される施設がある小さな基地です。日曜日で、基地の広場は、10数人の子ども達に開放されていました。
基地めぐりの最後は、陸上自衛隊和歌山駐屯地(第304水際障害中隊)」です。同基地は、日高郡美浜町にある、長さ6キロの美しい海岸線「煙樹ヶ浜」に隣接しています。水際障害中隊は、「敵の着上陸侵攻を阻止する目的で作られた部隊で水際地雷敷設車が配備されています」。敷設車が水陸両用の意味は、地雷(機雷)を迅速に積み込み、海底・海中に敷設できるとしています。1台5億円と言われ、3台(隻)配備されています。
重大なことは、この美しい浜を「訓練場」にするとして、沖縄と同じように、美浜町や漁協に「アメとムチ」で押し付けてきています。恋人たちの浜とも言われる美しい浜を守ってきた地元の人たちが立ち上がり「美浜の自然を守る会」を結成してがんばっておられます。会長の東原史朗さんは、「ほとんど意味(軍事的)を持たない部隊と施設はなくして欲しい」と訴えられました。
昨年の北西コースと今回の南東コースで、2府6県を一通りまわることとなりました。
今回の「基地めぐり」には、関西すべて府県からの参加を得て、充実したものになりました。参加者からは、「各地の状況を詳しく知ることができました。それは、各地での粘り強い運動の成果だ」「関西にも無数に自衛隊基地があり、強化されていることを実感した」「昨年に続いて参加したが、それぞれの基地が重要なポイントに設置されていると思った。もっと、みんなに知らせていきたい」「どこ見ても莫大なお金が掛かっている。使い道、間違っているよね」などの感想が寄せられました。
まさに、9条が生き生きと語られ、安保をなくし、平和な日本をめざして奮闘している姿に励まされる、基地めぐりでした。(田中三郎)