母子加算復活させて 京都で緊急集会
生活保護を受けるひとり親世帯に支給されていた「母子加算」の廃止に対して、同制度の復活を求める緊急集会が24日、京都市中京区のハートピア京都で行われました。主催は「戻せ!母子加算」集会実行委員会。
生存権裁判を支援する全国連絡会の朝日健二代表委員(NPO法人朝日訴訟の会理事)が基調講演し、母子加算の廃止は生活保護基準の引き下げと同時に行われたもので、日本経団連の要求に政府が従ったものと指摘。生活費の低い家庭では親の知能に関係なく、子どもの知能が低下するとして、母子加算の廃止により、「子どもが就職につけず、貧困が再生産される」と批判しました。
また、自身が関わった1957年に憲法25条の規定に対して生活保護基準が低すぎると争われた朝日訴訟のたたかいを紹介。社会保障予算が半減されたことに復活を求めて日比谷公園で座り込み行動をしたことで、社会的にも世論を広げてたたかったことが裁判勝利にもつながったとして、「今回の生存権裁判でも世論を広げて勝利しよう」と訴えました。
当事者として、今年5月に京都府に審査請求をした田中真由美さんが、「お金がなくて子どもに気をつかわせてしまう。ぜいたくがしたいわけではなく、普通の生活がしたい」とのべました。また、生存権裁判原告の辰井絹恵さんが「うちの子は塾に行けず、定時制の高校に入学した。お金がないことで子どもの夢を奪ってしまっていることが申し訳ない。厚生労働省の舛添大臣は子どもがいるのに気持ちがわからないのか」と声を震わせました。
日本共産党のこくた恵二衆院議員があいさつし、「舛添厚労相が『母子加算がなくても平均的な生活ができる』として廃止を強行したのは、ひとり親世帯の実態をまったくふまえていない。母子加算復活に向けて超党派でがんばっていきたい」と述べました。