不当判決に断固たたかう シベリア抑留裁判
第2次大戦後、旧ソ連のシベリアに抑留・強制労働させられたのは国の責任として、京都や大阪など11都府県の旧日本兵57人が国を相手取り損害賠償を求めた訴訟で、京都地裁は28日、請求を棄却しました。原告側は控訴する方針。
吉川慎一裁判長は判決理由で、「原告はシベリアなどの収容所に連行され、鉄道建設などの強制労働に従事。最も長い人で抑留期間は約4年半にわたり、甚大な被害を受けた」ことを認めた上で、「補償を定めた立法がなく、同種の訴訟が何度も繰り返された」ことを指摘。訴訟の中で原告が次々と死去したことにも触れ、速やかな政治的解決を求めました。
判決後の報告集会で、原告団長の林明治さん(84)は「日本の恒久平和を求め、憲法を守るため裁判を起こした。何歳になろうが、国の責任を問い続け、断固としてたたかう。引き続き、世論の支援を」と訴えました。
原告弁護団長の村井豊明弁護士は、「長年にわたって抑留被害者を放置してきた政府の無為無策を、司法の責任でたださなかった」ことは、「極めて不当な判決」と指摘。その上で、「原告の平均年齢は85歳で、判決までに5人が死去し、うち1人は判決前日に亡くなった」と述べ、「原告の年齢を考え、裁判と政治的解決と両面から、問題解決へたたかい続ける」と話しました。