知恩寺秋の古本市 京都古書研究会主催の秋の古本まつりが、左京区の百萬遍の知恩寺境内で30日から開催されています。33回目となる今年は約20店が参加。
 同研究会代表の森下正巳さんは「この境内で開催したきっかけは、古本供養から。読まれ、使用されて、又再び生き返って行くのがこの古本市です。本は何人もの人に培われ、著者の方も何回も生き返っているんです。午前9時過ぎに正面の本堂(大殿)で古本供養が営まれた後、開催しています。不況の中ですが新しいお客さんも増えて古書界としてはまあまあの状況です」と話します。
 約20万冊の古書が並べられた店舗には、朝からたくさんの読書家が訪れ、目当ての本を探しています。
 袋いっぱいの古書を購入した奈良県からきた男性は「朝早くから来て語学関係を探しています。幾ら買ったかな」と、さらに古書を探索していました。また、小さな子ども連れの夫婦は児童書コーナーで分厚い『のりもの絵本』などを購入して、通路のちゃぶ台でさっそくお父さんが「これ新幹線早いよ、こっちはアーバンライナーいいね」と読み聞かせ、子どもは指さしながら見入っていました。
 会期は4日間、11月3日まで。鐘楼前では人気のチャリティーオークションや、阿弥陀堂内では掘り出し物の特選オークションなどのイベントが毎日開催されるほか、本の病院コーナーでは痛んだ本の修理の修理など専門家による講習が行われています。(仲野良典)