興聖寺【２】kosho-ji Temple

　宇治川ラインの右岸に位置する曹洞宗の興聖寺は、1233年（天福元年）に道元禅師が京都市伏見区の深草の極楽寺に一寺を建て、興聖宝林寺と称したのが始まりと伝えます。その後、道元が越前永平寺に移ってからは廃れ、また度重なる戦火で荒廃しました。
　江戸初期の1649年（慶安２年）、淀城主永井尚政が宇治川右岸の朝日山山麓の現在地に万安英種（ばんあんえいしゅ）をまねいて再興しました。宇治橋から上流の宇治川右岸には橋寺放生院、宇治神社、宇治上神社や恵心院や塔の島へ架かる朝霧橋など、由緒ある寺社や建造物が建ち、紅葉の秋を満喫する観光客で賑わっています。
　特に興聖寺の紅葉は抜群に美しく、宇治12景のひとつに数えられています。門から長くつづく琴坂参道の青・黄・紅のイロハモミジのトンネルは最高で、こころが洗われます。（仲野良典）