七草粥で無病息災
7日は七草粥を食べる7日正月。伏見区の御香宮神社で七草神事が行われ、七草粥が振る舞われました。厳しい底冷えで今年も冷たい風が吹き込む中で熱々の七草粥の湯煙が立ち上ります。
地元伏見の夫婦づれは「この近くですが、初めて来ました。熱々で温(ぬく)もります」と話します。また三重県から京都研修にきた高校生グループの上嶋千尋さん(3年生)は「私の家では、(七草粥を)してもらったことはありません。七草粥なんて初めて。温かいし素朴な味がしてオイシー! 」とフーフーと息を吹きかけながら食べていました。
同神社では、約700人分の七草粥を作って振る舞います。参拝者はまず本殿で祈願して、長い列をつくって御香宮特製の七草粥の順番を待っていました。八坂神社、貴船神社でも若菜祭として、疫病除けと健康を祈願し新春を祝う神事が営まれます。
七草粥は平安時代に中国から伝来して宮中の年行事の一つになり、やがて庶民にも広がった習わしです。新しい生命誕生と無病息災を祈願する行事として江戸幕府もこの日を「人日(じんじつ=五節句の一つで、この日が晴天であれば一年中安息無事、雨天は疫病衰耗の兆〔きざ〕し)」として処刑もしなかったと伝えられています。
京の家庭でも朝ご飯は温かい七草粥で無病息災を祈念します。セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ(ハコベ)、ホトケノザ、スズナ(アオナ)、スズシロの野草をお粥に入れて作りますが、最近はスーパーで七草セットやレトルト七草粥が販売されています。(仲野良典)
「けふぞかなし薺(なずな)はこべら芹(せり)つみて はや七草のお物まゐらん」(慈鎮和尚)