初甲子大祭で健康祈願
盂蘭(うら)盆五山の送り火の一つ「妙法」の火床で知られている松ヶ崎山の如円寺(通称)で、60日に一度開かれる大黒天の縁日、甲子祭が行われれています。
今年は正月初甲子(きのね)の日が14日。初甲子大祭(はつかっしたいさい)として祈祷(きとう)が営まれる中、大勢の参拝者が訪れ家内安全、開運成就と無病息災を祈願し大福帳や宝蔵のお守りを授与してもらっていました。大阪からグループで訪れた女性は本堂正面におかれているブロンズの大黒天の頭やお腹ををさすりながら、「気休めやと思うけれど、こうしてここに来られるのも健康を授かっている証拠」と笑顔で話しました。
同寺は江戸初期の1616年に建立され、都七福神の一つ大黒天をまつる日蓮宗の寺院です。本尊は釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)ですが、境内にまつられている大黒天尊像(伝・最澄作)が有名で、地元では「松ヶ崎の大黒さん」として親しまれています。また、1969年(昭和44年)に大火がありましたが大黒尊だけは無事だったので「火中の大黒さん」とも呼ばれています。(仲野良典)