ロウバイ 厳冬がまだまだつづくこの頃、左京区鴨川沿いにある府立植物にも冷たい北風が吹いて、温室以外は今が一番花のない季節です。そんな冷たい冬空にロウバイが花を付けています。ロウバイ(蝋梅・鑞梅、唐梅とも=Chimonathus praecox)は落葉低木で高さは2~5メートル。多数分枝して、黄色い小さな花をたくさん付け良い香りを漂わせています。
 中国中部地方が原産で、日本には江戸初期に朝鮮半島を経て伝わりました。名前は花の色が蜜蝋(みつろう)に似ており、また梅と同じ頃に花を咲かせるからと言われていますが、バラ科サクラ属の梅とはまったく別種のロウバイ科ロウバイ属です。
 梅で有名な北野天満宮にも本殿を取り囲む梅園の中にロウバイが1木あり、府立植物園の150本の梅林にも植樹され、寒梅とともに一足早く黄色い花を咲かせています。ちなみに府立植物園のロウバイが開花したのは12月10日。また梅林には背の低いウンナンロウバイ(雲南蝋梅=Chimonanthus yunnanensis)も1木あり、小枝には小さな黄色い花を少し付けています。いずれも2月中旬ごろまで可憐なロウバイが鑑賞できます。(仲野良典)