十三まいり 西京区の法輪寺で13日、十三参りの儀礼が行われ、多くの親子連れでにぎわいました。本尊の虚空菩薩から知恵と福徳を授かり幸せな人生が歩めるよう祈念する成人儀礼です。
 同寺の本尊、虚空菩薩は「嵯峨の虚空蔵さん」と親しまれ、京都では数え年の13歳になった男女が参拝する風習があります。十三参りは、旧暦では4月13日ごろに当たり、嵐山では花見の季節。男子は羽織袴姿、女子は華やかな着物姿に満開の桜が色を添えた衣装較べでもありました。女子の着物はこの日から四つ身(よつみ=和服の裁ち方の一つで4歳頃から着た)から本裁ち(ほんだち=並幅1反の布で大人用の衣服を仕立てる)着物に着替えた通過儀礼が長く続いていました。
 
 本堂前には、満開の寒桜やたくさんの白梅が咲き、子どもたちの前途を祝福しているようです。また、西門から張り出している大きな舞台からは、春霞の京都市内全域が眺望され、華やかな着物姿の子どもと親が温かい日差しに照らし出されていました。(仲野良典)
「春はどこまできたか 春はそこまできて 桜の匂ひをかぐはせた」(萩原朔太郎)