萬福寺のハス 泥水から美しい花を咲かせる姿が仏の智慧や慈悲の象徴と伝わるハスが黄檗山萬福寺(宇治市)で21日から咲き始めました。大賀蓮、紅孔雀、舞妃蓮、瑞光蓮など64種、160鉢のハスが美しさを競います。
 中でも大賀蓮は、1951年、千葉市の東京大学農学部検見川厚生農場で故大賀一郎博士が、約2000年前の縄文時代に小倉池で咲いていた古代ハスの種3粒を発見し、そのうちの一粒の開花に成功したもの。同品種が鉢栽培されています。
 同寺営繕担当の安藤淳二さんは「昨年は黄檗宗の祖である隠元禅師の高弟の即非和尚が撒いたとされるハスが咲きました。今年も花が開くのが楽しみです。蓮は泥より出でて泥に染まらずと言われる清らかな花です。これから7月いっぱいまで色とりどりのハスを見に来て下さい」と話しています。
 境内の放生池にもハスが植えられているほか、スイレンも白い花を開かせています。
 萬福寺は1654年、中国福建省から渡来した隠元禅師が後水尾法王や徳川綱公の尊宗を得て1661年に開創された寺院。日本3禅宗(臨済、曹洞、黄檗)のひとつ、黄檗宗の大本山。建物は中国の明朝様式を取り入れた日本の代表的な禅宗伽藍として主要建築物などが重要文化財に指定されています。