華やぐ純白のスイレン 大原野神社
京都市西京区の西山の麓に鎮座する大原野神社の池で純白のスイレンが満開です。
スイレンは鳥居を潜った参道の右手にある「鯉沢池」で純白の花をたくさん咲かせています。文徳天皇が猿沢池を模してつくらせたという池の水は、同社の清和天皇産湯の清水と伝える名泉「瀬和井(せがい)」と水系を一にしており、5月のカキツバタと共に6月中旬から8月上旬のスイレン(スイレン科スイレン属、和名は未草=ヒツジグサ、未の刻=午後2時=に咲くからですが、開花時間はまちまち)なども美しく咲きます。
アオサギも飛来。スイレンが華やぐ池の畔にはお茶屋もあって参拝者もゆっくりと鑑賞しながら休息しています。
同神社は長岡京遷都に際して桓武天皇の皇后のために奈良の春日大社の分霊をこの地に勧進したのが起こりと伝えられています。平安時代は藤原氏の隆盛と共に大きな地位を占めていましたが、応仁の乱以降は社運も途絶えがちになり江戸前期に再建されました。(仲野良典)
「白鷺は その一羽 睡蓮の花を食(は)み 水を食み かうかうとありくなり」(北原白秋)