カクトラノオ 京都市伏見区深草にある石峰寺の中国風の朱の門から本堂までの前庭に、カクトラノオがきれいに咲いています。
 カクトラノオは猛暑にかかわらず紫の可憐なキキョウとともに、白と薄ピンク(Physostegia virginiana・フィゾステキア・茎の断面が四角から、またトラの尻尾に似ているからカクトラノオの名・別名ハナトラノオ)が咲き、ムラサキシキブの実がもう少しで紫色に染まろうとしています。まだまだ暑さは続きますが、涼しい竹林の石仏巡りと前庭のさまざまな草花に心なごむ寺院です。
 石峰寺は宇治の黄檗宗万福寺に属す寺院で1700年始め千呆(せんがい)和尚が創建。当初は稲荷大社南面からJR奈良線をまたぐ広大な境内に一大伽藍を有する大きな寺院でした。江戸時代の画家・伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)と住職が制作した五百羅漢や鳥獣などを配したユニークな顔や姿をした石仏群があり、大勢の参観者で賑わっています。(仲野良典)
「春風に五百羅漢のとはれ皃(かお)」鈴鹿野風呂