辵(ちゃく)展 江戸期の御用印判司「鮟鱇窟(あんこうくつ)」主で京都の古伝道統の篆刻(てんこく)を継ぐ水野恵氏が率いる「辵璽林(ちゃくじりん)」門下生らによる「辵(ちゃく)展」が京都市中京区のギャラリーみすやで始まりました。
 今年は「名」をテーマに40点の軸や屏風、篆刻が展示されています。落語でおなじみの「寿限無」の文字を時計回りに1字づつ90度回転して書かれた書や17代目を継ぐことになった門下生は継ぐ名前の重みを込めて「名跡継承 信用伝統」、また、おめでたい七福神の名を並べた書など「名」という言葉から各人が受け取る意味を文字に表しています。
 篆刻では、水野氏を含む8人の篆刻家名や篆刻に必要と言われる「目腕頭」などを刻んだ印文が出展されています。
 水野氏は「飛代虚如虹 有翅」など4作品を披露。「名、即ち言葉は言った者、聴く者から離れて勝手に飛び回る、そんな意味です。今年はみんなよう、きばりましたが、言葉が独り歩きして篆刻からはみ出している、そんな感じでっしゃろか。まあ、見に来ておくれやす」と話していました。
 31日まで、ギャラリーみすや(中京区三条通河原町西入る)TEL075・211・5997。