司法修習が始まるまでに法改正を ビギナーズネットが会見
司法修習生への給与の給費制を廃止する問題で8日、今年司法試験に合格した修習生らが京都市中京区で記者会見し、「修習が始まる12月までに法改正を」と訴えました。会見したのは、同制度維持を求める修習生や若手弁護士、修了生、大学院生などでつくるビギナーズネット京都支部。
給費制廃止と貸与制実施は1日から施行されています。ビギナーズネットは「臨時国会での法改正をあきらめない」として、新期修習生らが岡山、千葉、愛知、岐阜の4県で記者会見してきました。府は5番目。
会見では新修習生3人が発言。高知に配属が決まったという石坂省悟さんは、引越しに25万円必要で、急きょバイトをしているとのべ、貸与制導入の理由が給費制廃止にともなう経済的配慮ということについて、「修習中は法律で復職を禁止されており、また配属先決定に経済的配慮がされないことなど、経済的配慮はあまりに不十分」と話しました。
小竹克明さんは、「友人は大学在学中に親がリストラにあい、首席の成績での卒業だったが親に頼れなくなって働かなければならず法律家をあきらめた。経済的理由で法律家になれない人を生みだすのはおかしい。給費制を維持すべき」と訴えました。
同支部の事務局長の吉山裕基さんは、「すでに大学やロースクールで1000万円の奨学金を受け、修習の貸与で300万円強も借金が増える。さらに国保に加入しなければならず、妻と8カ月の子どもも抱えての生活では、貸与制の負担はとても重い」と述べました。
会見に参加した京都弁護士会給費制維持緊急本部佐野就平弁護士は、同制度が盛り込まれた法改正時(04年)では予測できないほど雇用情勢が悪化していると指摘。「弁護士の中には収入が300万円を切る人もいる。弁護士事務所への就職も難しく、返済できる余裕は修習生にはない。そもそも公共的存在の法律家になることを受益者負担として自己責任で負担させることがおかしい。すぐさま法改正すべき」と訴えました。