京都造形芸術大学映画祭 学生の力で日本映画界を盛り上げようと、第4回京都造形芸術大学映画祭(同実行委員会主催)が27日、同大学構内にある京都芸術劇場春秋座(京都市左京区)で開幕しました。28日まで。
 同大学映画学科の学生が企画・運営する映画祭で、今年のテーマは、「京都から映画を盛り上げる~学生がプロになる瞬間/学生をプロにする瞬間」。初日の今日、映画学科の学生とプロの俳優、スタッフらが共同で製作した「北白川派芸術運動」第2弾の『MADE IN JAPAN-こらッ!-』(高橋伴明監督)のプレミア上映が行われました。『MADE―』は、祖母の死が引き金となって父・完治、母・春子、娘・雛子の家族3人がそれぞれの事情を抱えながらばらばらに崩壊していく様子を描いた作品で、来春京都での先行上映と全国ロードショーを予定しています。
 上映後の舞台挨拶には、春子役の女優・松田美由紀さん、雛子役の大西礼芳(あやか)さん(20)=映画学科俳優コース2回生=、脚本の和間千尋さん(22)=撮影当時映像・舞台学科4回生=、高橋監督が登場。演技経験がない中で主演の1人に抜擢された大西さんは、「今日この会場で観ていただいたことが一番の幸せ」と興奮気味に話し、脚本を20回以上書きなおしたという和間さんは、「3回生の時の記憶は脚本を書いていたことのみ。それが形になって観ていただけることがうれしい」と語りました。
 次第に豹変していく春子を演じた松田さんは、「映画作りやものづくりにおいて、常に新人のような新鮮な気持ちを保ち続けることは難しいこと。今回は学生のみなさんとそういう作業をやらせてもらった。撮影では、計算では出せない感情のライブ感に一番気を使った」と振り返りました。高橋監督は、「学生の力というか、学生でもここまでできるんだっていうことが伝われば」と話しました。
 舞台挨拶後には、同日上映された『SR-サイタマノラッパー』の入江悠監督と出演した駒木根隆介さん、水澤紳吾さん、飛び入りゲストで俳優の新井浩文さんも参加し、学生とプロが映画作りについて激論を交わしました。
 最終日の明日(午後1時半開演)は、全国各地の大学・専門学校から応募のあった学生映画74作品の頂点を決める京都造形芸術大学アカデミー賞の授賞式などが行われます。