日本共産党京都市会議員団は10日、京都市議会11月定例会が閉会したことを受け、「声明11月定例市会を終えて」を発表しました。
 以下、その全文を紹介します。


〈声明〉十一月定例市会を終えて
 日本共産党京都市会議員団
一、十一月定例市会は市長提案の百四十五件、議員提案十三件、合計百五十八件を議決し、本日、閉会しました。日本共産党市会議員団は、ワクチン接種の公費負担などを盛り込んだ一般会計補正予算案、景観政策に関する条例改正案など市長提案の百三十二件には賛成し、市民への痛み押し付けを前提とした京都市基本計画、東山区の学校統合を前提とした小学校条例の改正、同和特別扱いを残す市立浴場の指定管理者を浴場財団に指定する条例案など十三件には反対しました。自民、民主・都みらい、公明のオール与党は、全ての市長提案に賛成し、日本共産党が提案した議員報酬削減条例には反対しました。
一、今議会で、子宮頸がん、ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンが、自己負担なしで接種できるよう新たに制度が創設されたことは、大きな前進です。来年一月から所得制限なしで実施が始まります。さらに、国の交付金を活用した耐震改修助成制度の拡充が実現しました。また、保育の公的責任を放棄する「子ども・子育て新システム」に対して、導入に反対する意見書を可決、民主・都みらいは反対しました。「地方交付税の特別加算を廃止せず、拡充を求める意見書」が全会一致で可決しました。その他、一括交付金化を前提とした地方財政の充実を求める意見書、法人税減税を前提にした中小企業支援を求める意見書については、党議員団は問題点を指摘し、反対しました。
一、二〇二〇年までの十年間の市政運営の方向を定める京都市基本計画について、党議員団は、現在の基本計画の到達点と総括が不十分な上、新たに提案された計画も市民生活の実態とかけ離れていること、「共汗型計画」と称して、市民への痛み押し付けを前提としていることを論戦で明らかにし、未着工の高速道路建設中止と焼却灰溶融施設の稼動中止を盛り込むべきと迫りました。市長は「市民生活を支える先進的な取り組みが大きく前進した」と市民生活の実態とかい離した認識を示しました。さらに、ムダを削ることを求められている時に焼却灰溶融施設の稼動にも高速道路建設にも固執する姿勢を示しました。計画案に党議員団は反対しましたが、自民、民主・都みらい、公明が賛成し可決しました。基本計画の具体化は、京都市財政改革有識者会議の提言とあわせて、五年間の実施計画に具体的に盛り込まれることになります。党議員団は市民のみなさんと力を合わせ、福祉切捨て、市民への痛み押し付けの具体化を許さないたたかいをすすめます。
一、党議員団は、今議会に議員報酬を三割削減する条例改正案を提案しました。自民、民主・都みらい、公明の与党会派は反対、条例案を否決したものの、議員報酬などの議会改革について市会改革推進委員会で、引き続き検討することになりました。党議員団は議会改革のさらなる前進に向けて力を尽くすことを表明する声明を本日、発表しました。また、市民生活の厳しい実態を踏まえ、国民健康保険料の引き下げ、国保広域化をやめること、子どもの医療費助成の拡充を求めました。「市民の負担は限界に達しつつある」としながら、国保料の引き下げを拒否したものの、子どもの医療費助成拡充については「府と制度のあり方について協議検討を鋭意進める」と京都市の決意を示したことは一歩前進です。さらに運動を広げ、子育て支援、国保料の引き下げの要求実現へ力をつくします。
一、議員定数の削減を求める直接請求が年明けにも提出され、一月下旬には臨時市会が開催される見通しです。議員を減らすことは市民と市政をつなぐパイプを細くするもので、議会制民主主義の根幹を揺るがす問題です。党議員団は市民の声を議会に届け、市民に役立つ議員団としていっそう奮闘する決意です。