府は宅地開発許可取り消して 向日市民が審査請求
向日市の住民266人が7日、排水被害を生むおそれがあるとして、府が今年1月に京都市の建設会社に出した宅地開発許可の取り消しを求め、京都府開発審査会へ審査請求しました。
住民が取り消しを求めているのは、「㈱洛西建設」(京都市西京区)の関連会社「(株)ライフプラン」(同)が、向日市寺戸町中村垣内にある駐車場(約2000平方メートル)に住宅18戸を建設する計画。
「洛西建設」は同地区にある北野台公園下雨水貯留槽を施工しましたが、09年7月に施工不良による破損で、住宅6戸が床下浸水する事故を起こしています。また、昨年8月にも開発地下流域の住宅などが浸水する被害が発生。宅地開発予定地は同貯留槽に隣接することから、住民らは「貯水槽が破損した状態で新たな宅地開発を行い、雨水排水が流出すればさらに被害が拡大するおそれがある」と訴えています。
住民らは取り消しを求める理由として、▽溢水(いっすい)被害の可能性が高いことや雨水流水量計算式の違算・流域面積の意図的な操作▽開発区域の道路の安全に支障がある▽開発区域東側の擁壁の応力度審査の不備▽開発事業者・申請者の資力・信用がない▽地権者への説明や同意への努力がなく開発手続きに違法性がある―をあげています。
審査請求した住民の石沢春彦さんは、「府は開発を取り消し、雨水貯留槽破損原因を究明し、対策を講じるべき。水路の維持管理は市が責任を持って行うなど、住民の安全を守るための対策をしっかり行ってほしい」と述べました。