不当判決に怒り トステム・中田さん過労死裁判
「トステム」綾部工場で長時間の時間外労働を強いられ、帰宅後に急性心停止で死亡した故中田衛一さん(22=当時=)の遺族が、死亡は過労死として同社に損害賠償を求めた訴訟の判決が25日、京都地裁でありました。大島眞一裁判長は、原告の請求を退ける判決を下しました。原告は「不当判決で、控訴したい」としています。
訴えていたのは中田さんの両親・正義さん、弘美さん。中田さんは2001年、会社から帰宅後に亡くなりました。両親は「息子は時間外労働で月100時間以上(過労死認定時間)働かされていた」として、会社側の安全配慮義務違反と訴えました。
判決では中田さんの労働時間について、同工場にタイムカードが設置されていない下で、深夜帰宅していたという両親や同僚の証言は「裏付けのあるものとも言い難い」として不採用。また、業務が深夜交替制であったことや騒音、冷暖房がない、精神的ストレスがかかるなどの劣悪な労働環境も「ことさら重視するものではない」として、「業務が過重であったものといえない」と述べました。
判決後の報告集会で両親は涙を流しながら、「判決を聞いた瞬間、頭が真っ白になりました。悔しいの一言です。衛一ががんばって働いた姿が裁判官に見せられず残念です。控訴してがんばっていきたい」と訴えました。
宮本平一弁護士は、「労働者の立場で真実を極めるという視点のない、まったくの不当判決で許されない。引き続きがんばっていきたい」と述べました。