子どもの権利条約活かそう DCI京都セクション
国連子どもの権利委員会・日本審査最終報告の提出からちょうど一年目の11日、京都市内で「DCI京都セクション設置記念講演会」が開催され、約50人が参加しました。
第1回日本審査(98年ジュネーブ)を傍聴した手塚良子さんの開会あいさつに続き、DCI日本「子どもの権利モニター」編集長の木附千晶氏が「子どもの権利条約ってなあに?受容的・応答的な人間関係をふまえた新しい社会の創造を!」と題して講演しました。
木附氏は、「驚くべき数の子どもが、情緒的・心理的充足感を持てずにおり、その決定的要因が子どもと親および教師との関係の貧困さにある」という最終所見の指摘をふまえ、子どもの成長発達に不可欠な「受容的応答的な関係(安全基地)」…「ねえねえ」「なあに?」の関係性を取り戻す、子どもの権利条約の実践から震災後の新しい社会の創造をと呼びかけました。
事務局の秋山吉則氏が、当面の活動について提案し、参加者による意見交流がされました。「子どもの“意見表明権”の理解が深化・発展していることに感銘」(高校生平和ゼミナール)、「子どもの豊かな遊びの時間を保障し、成長発達を支えている」(少年団)、「わが子がなぜ自殺しなければならなかったのか…教育と人間関係の相談室を主宰」(精神保健福祉士)、震災で福島から京都へ非難している子ども達を支援する取組み(新婦人)など、会場から積極的な発言が相次ぎ、京都でのDCIの結成が、子どもの育ちにかかわる様々な分野から、本当に待たれていたことを実感しました。
昨年の第3回審査傍聴団に参加して高校の学費について訴えた学生は、「DCIに参加して私は自分らしさを取り戻した」と発言。少年団で育ち、春から保育士になったという男性は、「ケンカした子ども同士が“ごめんね”というまでの葛藤する時間を待ってあげることが大事。大人に余裕がないと」と発言。中学生たちや大学院生など若い世代からの発言がつづき、未来に希望を感じるスタートとなりました。
「DCI京都セクション」呼びかけ人は、安保千秋(弁護士)、石塚かおる(つばさ園施設長)、井本伸広(京都教育大学名誉教授)、信ヶ原雅文(だん王子供の家理事長)、鶴丸富子(京都市里親会会長)野田正人(立命館大学教授)、本田久美子(元市教組委員長)など18人です。
入会等の問い合わせはTEL075・724・6178 DCI京都セクションまで。(澤田季江)