〈5〉京都会館建て替え案に異議アリ 日本音楽ペンクラブ会員、前京都市芸術文化協会副理事長 中原昭哉さん
芸術家を育成する視点を大事にする
著名なオペラやバレエの巡回公演ができる舞台にするため、大掛かりな建て替え計画案を市は提案しています。
しかし、大事なのは、京都に数多くいる音楽家や芸術家の活動を育成していくことだと考えます。
かつて市は、京都会館で、1962~03年まで、京都市交響楽団と関西二期会によるオペラ公演、いわゆる「京響オペラ」を上演してきました。また1973~85年まで、新進作曲家に新作を委嘱し、その作品を京都公演で発表するなど、音楽家に発表の場を提供してきました。
著名なオペラ公演を否定するものではありません。しかし、京都にふさわしいステージとはどうあるべきか、目標の論議が大事です。
建て替え計画を市が一方的に進めるのでは、税金はかかったが、出演者側が歓迎しない舞台になりかねません。建築家、舞台関係者、プロデューサー、演奏家による専門委員会を作って、関係者の意見を大事にした十分な検討が必要だと考えます。(「週刊しんぶん京都民報」2011年6月19日付)