日本共産党乙訓地区委員会は18日、17日投開票された向日市議選について声明を発表しました。全文は次の通りです。


一、7月17日投・開票の向日市議会議員選挙において日本共産党は、5324票(得票率28・03%)、2010年参議院選挙比例票の1・42倍を獲得、6名全員当選で引き続き議会第一党、全国トップの議席占有率30%を確保することができました。
 日本共産党が得票・得票率で減らしたものの上位・中位で当選し、6議席を守り抜いたことは、今後の市政運営においても、国民が新しい政治を探求する新たな局面を開いていく上でも大きな意義を持つものです。
 猛暑のなかで日本共産党の躍進のために力をつくされた党員、後援会員のみなさんに、心から敬意と感謝を申し上げるものです。
一、今回の選挙戦は、参議院選挙では自民党に変わって政権を握った民主党が大敗し、「自民党もダメ、民主党もダメ」という結果が出て、国民の新しい政治への探求は継続されたもとでのたたかいでした。また、東日本大震災と福島原発の事故を契機に日本の政治のあり方が問われ、国民の新しい政治への探求は新たな局面を迎えているもとでの選挙戦となりました。
 自民・保守候補の出陣式に参加した西田昌司参院議員は、「福島原発で亡くなった人はひとりもいない。電力不足による熱中症で死んだ人は何百人もいる。これから工場が止まって仕事がなくなって死ぬ人もでる。どちらが大きな事故なのか。脱原発は無責任」」などと日本共産党を攻撃しました。原発を推進してきた反省のかけらもなく、電力不足になると住民を脅かし、原発を押しつけようとする態度のどこにも道理はありません。日本共産党は、久嶋市長が「原発からの撤退は困難」と発言しているもとでも、新しい議会で「原発ゼロ宣言」を行ない、自然エネルギー政策への転換を向日市から全国に発信する。6名の全員当選で、新しい政治の流れをつくろうと訴えました。選挙戦の結果、自民党・保守陣営の1人が落選するとともに、民主党は得票を大幅に減らして1議席を失い、参院比例票の16・7%にとどまり、民主党への厳しい審判が下るものとなりました。同時に久島与党は過半数の11議席獲得を狙いましたが、10議席にとどまりました。
一、向日市政問題をめぐって、高すぎる水道料金のさらなる値下げ、子どもの医療費小学校卒業まで無料、巡回バスの実現という市民の願いの実現をかかげた日本共産党6名の候補者を先頭にした訴えが、市民の共感を広げました。これらの願いは繰り返して請願署名がとりくまれた要求であり、巡回バスの実現、子どもの医療費無料化を公約にかかげる候補者も出てくるという変化をつくりだしました。
 水問題では、市民とともに、30年以上水問題にとりくみ、ついに水道料金の値下げ条例を提案し値下げを実現。さらなる値下げへ、党候補に願いを寄せる有権者の期待が集まりました。向日市民報を勝手に改ざんして「実績横取りの共産党」という謀略ビラまで配布される事態が生まれましたが、水問題が選挙の争点に大きく浮上した反映でした。また、巡回バスの問題では公明・学会が一部の地域で「巡回バスの署名はするな」と有権者に圧力をかけ、議会でも巡回バス実現を求める請願に反対し続けました。日本共産党はこれらの市民の切実な願いに心を寄せ、実現に向けての運動でもその先頭に立ってきました。6議席を実現してこそ、願いが実現するという訴えは、署名の広がりにも示されました。
一、日本共産党は、自民・公明・民主に対して、市民とともに歩んできた向日市における日本共産党の役割と責任が一層重くなったということを自覚し、市民のみなさんに押し上げていただいた6議席の力を最大限発揮し、他党の議員にも働きかけて、選挙戦でかかげた公約の実現へむけて全力をあげて奮闘する決意です。
 今後、水道料金の値下げへ、府営水道の基本水量の見直しを京都府に求めてとりくみを強化します。「財政健全化」といいながら大型公共事業はすすめるという市政のあり方が鋭く問われてくることはまちがいありません。これら21世紀の向日市の現在と未来にかかわる根本問題に対して市民的討論と共同を広げ、新しい市政実現へむけた歩みを開始します。
一、今回の選挙戦は、過去3度の国政選挙において、得票と議席を後退させるという厳しい状況のなかでのたたかいであり、乙訓の力の集中と全府的支援を得てたたかいましたが、この選挙戦から得たすすんだ党活動や議員活動の教訓を学び、いっそう発展させます。
 大山崎からはじまった乙訓地域における連続した選挙戦は、向日市議選をもって、ひとサイクルが終わりました。日本共産党は、この一連の選挙戦において、残念な結果もありましたが、向日市議選での勝利は大きな確信となりました。
 日本共産党は、今後も「国民の苦難軽減に献身する」という立党の精神に立ち、情勢を主導的に切り開く政治的・組織的力量をもつ党へと前進する決意です。