公開討論会での山田発言、民主府政の会が批判
府知事選告示を前に21日、衣笠洋子、山田啓二両氏を迎えての「公開討論会」(京都青年会議所など主催)が京都市中京区・京都商工会議所講堂、亀岡市・ガレリアかめおかの2会場で開かれました。「民主府政の会」は、「くらしの目線の衣笠さんと府民の痛みをまったく理解できない山田氏との違いがいっそう浮き彫りとなった」と話しています。
子どもの医療費、「拡充」としか言わず、実施を先のばし
子どもの医療費について、山田氏は「拡充する」の一般論でした。
「民主府政の会」は、「山田氏は、1月の記者会見も、今回も、これまで『拡充を』の府民の声に背を向けてきたことにも、どこまで引き上げるのかにも触れない。しかも、今回も山田氏が言ったのは、『いま医療改革の問題が出てきたので、さらに充実していく』(商工会議所)というだけのもの。国が就学前の医療費負担を3割から2割に改善する2年後まで、拡充の実施を先延ばしする可能性を示したもの」と話しています。
府立高校つぶしでは「1学年8クラス」を強調し、統廃合を当然視
山田氏は「高校は1学年8クラスぐらいが必要。統廃合しかできない」と明言しました。
「民主府政の会」は、「山田氏は、衣笠さんに『府南部地域は生徒数が増えているのに、なぜつぶすのか』と問われ、答えられなかった。山田氏では、亀岡以北の17校中14校、京都市内の18校中9校が廃止になってしまう」と話しています。
商店街、「土日に店を閉めている」「もっと努力を」と暴言
商店街振興のテーマで山田氏は、「商店街の方にも努力していただきたい」「土日になると朝から店を閉めている」とのべました。
「民主府政の会」は、「休日は郊外型の大型店にお客をとられ、店を開けてもなかなか商売が成り立たない商店街の実情をまるで理解しない発言」と話しています。
府立洛東病院廃止、「採算]しか頭になく、とんでもない暴論
府立洛東病院の廃止問題で山田氏は、衣笠さんに「採算がとれないと廃止を強行した」と追及され、「洛東は老朽化しており、建て替えに50億円かかる。入院患者は100人、1人あたり5000万円だ」などと発言しました。
「民主府政の会」は、「山田氏の頭の中は『採算性』のみだ。病床100床とは100人ではなく、仮に1カ月でベットが回転すると1年で1200人、10年で1万2000人の患者さんが利用できる。さらに、洛東には通院患者さんもいる。山田氏のような『計算』をする自治体関係者はどこにもいない」と話しています。
ムダ遣い、「もう7割方済んだ」とムダをゴリ押し
京都市内高速道路や舞鶴の和田埠(ふ)頭などの大型公共事業について山田氏は、「もう7割~8割できている」「いまさらやめられない」と継続を主張。また、「(公共事業はローンみたいなもの)3000万円で家を買うということは、実は、1年間に100万円しかでてこない」と、「公共事業をやめてもお金は出てこない」ことを強調しました。
「民主府政の会」は、「知事の退職金4300万円ももらい住宅ローンを口にすることも庶民感覚ではないが、ムダをなくしても意味がないとは、脱ダム・暮らし優先の長野県の田中知事とは大違いだ」と話しています。
ウソとゴマカシの言い逃れ
「民主府政の会」は、「公開討論会では、現職知事でありながら、ウソとゴマカシで言いつくろう場面もたびたびあった。知事としての資格が問われるのではないか」と話しています。
山田氏「雇用のための助成制度はある」。
「民主府政の会」は、「『企業誘致補助金』のメニューの中に常用雇用1人30万円補助のメニューがあるが、これは大企業支援だ」と話しています。
山田氏「国保補助金を百数十億円に引き上げた」。
「民主府政の会」は、「三位一体改革で国の補助制度が変わり、国から市町村に出されていた補助金が府を経由することになっただけだ。『補助金を増やした』などとはデタラメだ」と話しています。
山田氏「失業率は改善した」
「民主府政の会」は、「『05年、完全失業率、府の上昇幅、全国最悪。若年層の失業増加』(「京都」3月3日付)は明白な事実だ。これは否定できない」と話しています。