「もしかしたら患者に多少不便に」 山田啓二候補、洛東病院廃止で逆なで発言 東山区での演説会
山田知事によって1年前に廃止が強行された府立洛東病院の地元、京都市東山区の東山小で6日夜、「山田啓二個人演説会」が開かれ、「府立医大へ5分間タクシーに乗っていただきたい」との発言で洛東病院の元患者や府民の怒りをかっている山田候補が、今度は「もしかしたら患者さんに多少不便な点が出るかもしれない」などと患者らの苦悩を逆なでする発言をしました。
洛東病院廃止の理由について、山田候補は「洛東病院が老朽化してきた。建て替えには50億円かかる。あそこは100床だから1床当たり5000万円ぐらいかかることになる。皆さん方の税金はこれから、直さなければいけない府立医大の方に移行させていただきたい。もしかしたら患者さんに多少不便な点が出るかもしれないが…」と「採算性」のみを優先する見解をのべました。
「『1床当たり5000万円ぐらいかかる』発言は暴論だ」というのは府内の自治体病院関係者。「病床100とは100人ではなく、仮に1カ月でベットが回転すると1年で1200人、10年で1万2000人の患者さんが利用できます。その上、洛東病院には通院患者さんもいました。山田知事のような『計算』をする自治体関係者は全国どこにもいないのではないか」と言います。
「もしかしたら患者さんに多少不便な点が…」との山田発言と対象的だったのが、この日、「民主府政の会」の衣笠洋子候補が烏丸御池での大街頭演説で訴えた内容です。「今日、洛東病院前で宣伝をしました。お年寄りの方が駆けつけてきて、『ここに25年間、通っていたんや。一生懸命治療を受けていたのに、病院がなくなること聞いて、ノイローゼになった』。心にドーンと響きました。こんな人たちをつくってはいけないんです。1人1人の命を大切に、暮らしを大切にする府政でないといけないんです。このように思っています」。