京都府「独自調査せず、対応遅れた」と認める 加茂町フェロシルト問題
加茂町のゴルフ場に有害物質をふくむ土壌埋め戻し材「フェロシルト」が大量に投棄されている問題で、自由法曹団京都支部(村井豊明幹事長)と同フェロシルト問題調査団(近藤忠孝団長)は7日、山田啓二知事と製造元の石原産業に意見書を提出しました。
意見書では、府に対して、石原産業の報告をうのみにして「安全宣言」し、事実解明などの対応が遅れたことに反省を求めるとともに▽フェロシルト撤去搬出の際、2次被害防止の指導・監督▽石原産業の負担による環境調査や健康診断の実施―を要望。
石原産業には、企業としての基本姿勢を根本から改め、フェロシルト問題で府民に謝罪することなどを求めています。
府では、今泉英一郎環境政策監が対応。今泉氏は「三重県の認定したリサイクル商品として信用し、府が独自調査しなかったのは事実。適切に自己点検を行うべきだった」とした上で、「フェロシルト撤去(方法)についてなかなか住民との合意が得られないが、われわれがイニシアチブを発揮して合意に持っていきたい」のべました。
近藤忠孝団長(イタイイタイ病弁護団長、全国公害弁護団連絡会議代表委員)は「今日の話で府は、対応の遅れや石原産業などの言い分をうのみにしたことなどを認めて反省していた。これは世論が反映した結果だ。今後、行政がリードをして解決にあたるべき。住民も運動を発展させて一層監視していく必要がある」と語りました。