請求権認めない不当判決 大江山強制連行訴訟
与謝郡与謝野町(旧加悦町)の大江山ニッケル鉱山に強制連行され過酷な労働を強いられたとして、劉宗根さん(76)ら中国人の元労働者と遺族が国と企業に謝罪と損害賠償を求めていた訴訟の控訴審判決で大阪高裁は27日、国と企業の不法行為は認めながらも、賠償請求権がないとして原告の訴えを棄却しました。
判決は、1審の京都地裁で適用を否定した戦前の日本の政府機関や軍隊によって受けた損害について、国は責任を負わないとする「国家無答責の法理」を採用して国を免責しています。弁護団は、上告する方針です。
畑中和夫・弁護団団長は、「事実認定しておきながら、原告らの苦難に応えようとしない形式的な判断に終始する不当な判決」と述べました。
原告の補佐人の中国人弁護士の康健さんは「裁判官は、日本国家の責任のがれに手を貸した。中国人の尊厳を認めない判決」と語りました。
企業とは控訴審の途中で和解しています。