京焼の真髄を堪能 「京焼展」開幕
京都国立博物館の「みやこの意匠と技」と題する京焼展が17日から始まりました。青い目の外国人の方や多くの陶芸愛好家が訪れ秋のひとときを堪能しました。
出展作品は279品(うち国宝・重文指定が24品)で三代清風与平作「旭彩山桜花瓶」や野々村仁清作「色絵雉香炉」「色罌粟文茶壺」などが展示されています。初代清水六兵衛作、円山応挙絵付と伝える「銹絵山水図水指」、胴部の罌子図が俵屋宗達工房で描かれた草花田に通じる狩野派の絵師が絵付けしたと記されている仁清作「色絵罌粟(けし)文花瓶」は圧巻。また、一風変わった京焼には仁阿弥道八作の大型「交趾釉寿老人香炉蓋」なども異色です。
都に住まう「富裕層の需要に即した強い高級品志向と装飾性の高さ・・多様性」など、日本文化の発信地京都の工芸の究極がここにあるのではと思われます。京焼きの神髄をかいま見ることができます。
訪れた人も「京焼き全部観れました」とご満喫の声。1600年代の黎明期から江戸時代、そして明治維新で伝統を継承しつつ新しい趣向と技能の感覚で見事に復活した陶器まで全国各地の焼き物の先駆を歩む京焼が一覧できます。(仲野良典)