迫力ある彩色馬俑 京都文化博物館
京都文化博物館(中京区三条高倉)で「始皇帝と彩色兵馬俑展」が12月3日まで開催され、多くの人たちが訪れています。中国古代史は考古学と有名な『史記』との密接な関わり抜きには語れませんが、今回、春秋・戦国時代から秦・始皇帝時代を中心に、漢・武帝時代までの発掘作品群が厳選され出展されています。春秋時代の見事な金・トルコ石と鉄の「金柄鉄剣」などの金銀細工物や始皇帝の彩色兵馬俑に漢文帝時代動物たちの俑や男女俑などの現物が手近に観賞できます。
特に西安東北にある始皇帝陵の7基の加彩灰陶の文官・御車・将軍・百戯(力士)などの巨大な俑(よう=殉死者の身代わり副葬)はライトに照らし出されて迫力があり訪れた人たちもじっと見入っています。1999年に発掘され彩色よく残った跪射俑は世界的に話題となっただけに写真のように多くの人が取り囲んで観覧しています。
参観した60代の男性は「2500年も前の文明。よくここまで人物が描かれて何百と埋葬されてるなんて日本では考えられないこと」と話していました。また50代の女性は「中国陵墓に行って来ましたよ、これが何百と整然と並んでいるの。そして大きな屋根が組まれて保護していて、これを見てまたあの驚き感銘を思い出します」と話してくれました。
『史記』の舞台の中心は現在の中国陜西省で京都府と友好提携関係にあり、同省文物局局長の趙栄(チャオロン)さんは「この展覧会を通じて中日両国の人々の交流や理解が深まり、日本の多くの皆様が美と豊かな文化生活を享受されることを信じています」とメッセージをよせられています。