深まる秋、炎舞う火焚祭
11月の各神社は火焚祭(ひたきまつり)が盛んです。火焚祭の起源は、秋の五穀の収穫への感謝、庭燎(にわび)を焚いて神楽を舞ったなど諸説があります。民間でも、鍛冶屋・鋳物師・染物屋・酒造屋など火を使う業でも行われていました。
写真は有名な稲荷大社の火焚祭です。秋の収穫後、春に迎えた稲荷神を再び山に送る神事とのこと。本殿で神事を行い火をおこして本殿後ろの広場で、多数の宮司や参拝者が大祓詞を唱え、神楽女の振鈴の中、「みんなが幸せに暮らせますように!!」や「就職成就」、「家内安全」とか「うせもの退治」などと記された十数万本の火焚串を忌火で焚き上げ、五穀豊穣はじめ万物を育てるといわれている稲荷神に奉謝、祈願します。夜は御神楽が行われ浄闇の中で2時間にもおよびます。『御火焼(おほたき)や霜うつくしき京の町』 (蕪村)=仲野良典=