矛盾深まる山城地域の高校入試制度
「これでいいのか? 山城地域の高校入試制度のもたらすもの ・・・みんなで考えるシンポジューム」が3日、「山城地域の入試制度を考える会」の主催で宇治市の城南勤労者福祉センターで開かれ55人が参加しました。同会は2005年に発足し今回で3回目のシンポ。
野中一也代表世話人が講演し、ご自身が生徒であった戦争中の「前に進め! 止まれ! 回れ右!」式の教育と同じく愛国心を態度で植えつける安倍政権の教基法改悪案を批判し、今こそ蜷川知事が訴えた「15の春を泣かせない」の名言を実行し再び暖かい春をつくりましょう」と述べました。
報告・討論では17人が発言。「バラ色に描かれている府教委のパンフで生徒は胸膨らませて受験したら3分の1の117人も落とされて生徒はがっくり、まるでダマシでは」(中学教員)、「息子が行ってる学校が、今度統廃合でなくなる。息子はなくさないでほしいと心底思っている」(母親)、「進学率をひたすら上げるために7時間目8時間目の授業で生徒も教師もヘトヘト、部活どころでない」(高校教員)など、「勝ち組と負け組み」の競争教育にさらされている生徒たちの姿が浮き彫りになりました。(仲野良典)
シンポでは同会が宇治久世・綴喜・相楽教組と地元高教組の協力で調査し分析した『山城地域の高校入試黒書』(第1次版)が発行され報告されました。黒書は「入試制度の改変や高校再編によって生徒や父母、地域、教職員、学校教育にどんな悪影響を与えているか」を山城地域12校の普通科特色選抜の推移、通学圏の入試状況、出身中学別生徒数や授業料減免と大学進学率などの調査と生徒、父母、教職員の生の声を聞き取って明らかにしています。