23万人の行き場がない 深刻な療養病床削減
今後5年間で医療・介護の療養病床を23万床削減する政府の再編計画をめぐり、退院を促される入院患者の受け皿がないことがこのほど、府保険医協会の調査で分かりました。
療養病床再編についての第2次アンケート調査(第1次は5月)で、36医療機関が回答。診療報酬が低く設定されている「医療区分1」の入院患者の割合は、51%と前回調査(50%)と変わらず、同協会は、「医療度の低い患者の退院を進めようとしても、受け入れ先がほとんどない実態を示している」としています。 医療機関の対応では、「医療区分の高い(2、3)患者の受け入れを増やす」が半数以上(52%)に上る一方で、収入の増減(05年9月比)について回答した28医療機関中24(約86%)が「減収」となり、減収幅は平均12%。診療報酬が比較的高い、医療区分の高い患者を増やしても、看護体制の整備等が必要なことから、多くの医療機関が経営難に直面していることが明らかになりました。 療養病床再編についての意見では、「23万床削減されれば、23万人の行き場はどうなるのか。5年間で受け皿ができるわけがない。計画を見直すべき」などの批判が寄せられています。