伏見稲荷大社「初午(はつうま)の日」
伏見稲荷大社では2月に最初の午の日は稲荷神が三ケ峰に降臨したと伝えられ「初午(はつうま)の日」として大祭が営まれます。今年は5日(月)で天気も良く、参道がびっしりなるほどたくさんの参拝者が訪れました。本殿にお参りしてから稲荷山の「験(しるし)の杉」が授与されます。もちろん家内安全や商売繁盛に開運を願って家に持ちかえります。昔は庭に植えてもし根付けば願い事が叶うと言われていました。
参道はみやげ店や露店が並びますが、その中に日本最古の土人形とも言われている伏見人形の小さな店が1軒あります。自家で人形づくりもをしておられる店主の高畠喜兵衛さんは、「私の小さい頃、この付近の伏見街道には五、六十軒もの伏見人形店がありましたよ。稲荷の土産といえば伏見人形でたくさんの参拝者が買っていきました。今は2軒だけになりました」と語ります。店には素朴で信仰や縁起と結びついたユーモラスな表情の伏見人形が店の一角に並べられており、時折買い求める人がありました。(仲野良典)